SEOとデザインは関係ある?実は「見にくい」だけで順位は落ちます

ホームページ制作の打ち合わせで、お客様からよくいただくご質問があります。
「SEO対策において、デザインのかっこよさは重要ですか?」
「予算を抑えたいのでデザインは二の次でいいのですが、検索順位に響きますか?」
結論は「デザインはCV(成果)に直結し、SEO(検索順位)には間接的ですが強烈に影響する」というのが回答となります。
一昔前であれば、「文字さえ入っていれば検索順位は上がる」という時代もありました。しかし、AIが進化した現在のGoogleは違います。Googleのロボットは「美的センス」こそ持っていませんが、「ユーザーがそのサイトをどう感じたか」をデータとして厳しくチェックしているからです。
今回は、Web制作の現場視点で、多くの人が誤解している「デザインとSEO・売上の本当の関係性」について解説します。
1. なぜ「デザインが悪い」だけでGoogle検索順位が落ちてしまうのか?
Googleが掲げる最大の目標は「検索したユーザーに、最高の答えを届けること」です。 そのため、現在のアルゴリズム(検索順位を決めるルール)では、単にキーワードが入っているかだけでなく、「ユーザーがそのサイトを見て満足したか(UX:ユーザー体験)」が最重要視されています。
つまり、デザインそのものが加点対象(かっこいいから+10点)になるわけではありませんが、デザインが原因でユーザーにストレスを与えると、SEO評価が下がる(見にくいから-10点)という「減点方式」が採用されているのです。
具体的に、どのような仕組みで順位が下がるのかを見ていきましょう。
① 「見づらい・使いにくい」サイトは、ユーザーがすぐ離脱して評価が下がる
Google検索を使って、あるキーワードで調べ物をしている時のことを想像してみてください。 クリックして開いたページが、以下のような状態だったらどう感じるでしょうか?
- 文字が小さすぎて読みにくい
- スマホで見ているのに、PC用の表示のままで拡大しないと読めない
- 色使いが激しくて目がチカチカする
- ひと昔前のデザインで、なんとなく怪しい
おそらく、記事の中身を読む前に「あ、ここは違うな」「求めている情報がなさそう」と判断し、3秒以内にブラウザの「戻るボタン」を押して検索結果に戻るはずです。
この行動は、Web業界では「直帰」や「ブラウザバック」と呼ばれます。
Googleは、このユーザーの行動をすべて監視しています。「検索結果からサイトに行ったのに、すぐ戻ってきた」というデータが蓄積されると、Googleは次のように判断します。
Googleの判断: 「多くのユーザーがすぐ戻るということは、このページには役に立つ情報がないか、不快な体験を提供しているサイトだ。検索順位を下げて、もっと質の高い別のサイトを上に表示しよう。」
つまり、どんなに素晴らしい文章を書いていても、「読む気にさせないデザイン」である限り、SEOで上位表示され続けることは不可能なのです。
逆に、見出しのデザインが整理されていたり、適度な余白があって読みやすいサイトは、ユーザーがストレスなく長文を読んでくれます。その結果、「滞在時間」が延び、Googleから「熟読される良いサイト」として高評価を得ることができるのです。
② 表示速度やレイアウトのズレもGoogleの減点対象になる
デザインにおけるSEOの落とし穴は、見た目だけではありません。「技術的な品質」も評価に含まれます。Googleが導入しているCore Web Vitals(コアウェブバイタル)という指標がそれにあたります。
例えば、過度なアニメーションや高画質すぎる画像を使いすぎると、以下のような問題が起きます。
- 表示速度の低下: ページが開くのに3秒以上かかると、半数以上のユーザーが離脱すると言われています。Googleは「表示が遅いサイト」を嫌います。
- レイアウトシフト(CLS): 記事を読もうとした瞬間に、遅れて画像が表示されて文章の位置がガクッとズレる現象です。「誤タップ」を誘発するため、Googleから大きな減点対象となります。
SEOにおけるデザインの正解は、「派手にして加点を狙う」ことではありません。 「ストレスのない見やすさを担保して、Googleからの減点を防ぐ(=土俵に立ち続ける)」ことこそが、SEOに効くデザインの本質なのです。
当方(monte)が制作で使用するシステム(WordPressテーマSWELL等)は、この「表示速度」や「内部構造」が最高レベルで最適化されたものを選定しています。そのため、デザインによるSEOの減点リスクを最小限に抑えることが可能です。
2. デザインは連れてきたお客様に行動(予約・購入)させる「接客」の役割
SEOが「お客様をサイトまで連れてくる(集客)役割」だとすれば、デザインは「連れてきたお客様に行動(予約・購入)させる(接客)役割」を担います。
アクセス数はあるのに、なかなか問い合わせが増えない。そんな時は、十中八九デザイン(見た目の印象)に原因があります。特に医療、美容、士業、高単価なサービスにおいて、デザインの力は売上を左右する決定打となります。
「見た目の良さ=信頼できる」と思い込む心理(ハロー効果)で予約を後押し
人間には「見た目が良い特徴(清潔感・美しさ)があると、その対象の中身(性格・能力・品質)も優れているはずだ」と思い込んでしまう心理効果があります。これを心理学用語で「ハロー効果」と呼びます。
例えば、あなたが初めて行く「眼科」や「歯科」をホームページで探している時、無意識にこう判断していないでしょうか?
- A院(洗練されたデザイン): 写真が明るく、院内の様子がわかり、サイトのデザインも今風で綺麗。
→ 心理:「きっと最新の設備があるんだろうな」「先生の手術の腕も良さそう」「清潔感があって安心できそう」 - B院(素人っぽいデザイン): 文字が詰まっていて読みにくく、色使いもバラバラ。スマホ対応もしていない。
→ 心理:「昔ながらの古い治療をされそう」「器具の消毒とかちゃんとしてるかな…」「なんとなく怖いからやめておこう」
実際には、B院の先生の方が腕が良いかもしれません。しかし、Web上では「デザインの質 = サービスの質」と判断されてしまうのが現実です。
ユーザーは、数多くの競合サイトと比較しながら検討しています。その中で選ばれるためには、「迷い」や「不安」を消し去る必要があります。 「ここなら任せても大丈夫そう」という信頼感を瞬時に醸成し、問い合わせボタンを押す最後の一押しをする。それがデザインの持つ本当の価値なのです。
迷いを消し、「ここにお願いしたい」と思わせる力がデザインにはあります。
3. 目的別!「人を集めるSEO」と「決断させるデザイン」の賢い使い分け
「デザインが重要なのはわかったけれど、予算には限りがある…」 そう思われる方も多いと思います。
全てのサイトに数百万円のフルオーダーデザインが必要なわけではありません。事業のフェーズや目的に応じて、投資すべきバランスを変えるのが賢いWeb戦略です。
【集客優先】清潔感のある「機能美デザイン」で、SEOの減点を防ぎ認知を広げる
「開業したばかりで、まずは認知を広げたい」 「とにかく検索順位を上げて、アクセス数を稼ぎたい」
このようなフェーズであれば、過度な装飾や凝った演出は不要です。優先すべきは「情報の整理」と「読みやすさ」です。
清潔感があり、スマホでも見やすく、どこに何が書いてあるか分かりやすい「標準的なデザイン(機能美)」であれば、SEO上の合格ラインは十分にクリアできます。まずはユーザーに不快感を与えず、情報を正しく届けることを最優先にしましょう。
monteのプランで言えば、テンプレートを活用してコストを抑えつつ、SEO内部対策を万全にした「スタンダードプラン」がこれにあたります。
【指名買い狙い】独自の世界観を作り込み、「他ではなくここが良い」とファン化させる
「ある程度アクセスはあるが、価格競争に巻き込まれている」 「このブランドの世界観に共感してくれる、質の高い顧客を集めたい」
このような場合は、単に綺麗なだけではない、フルオーダーメイドのデザインが必要です。 プロのカメラマンによる写真撮影を行い、フォント(書体)ひとつ、余白ひとつにまでこだわってブランドの空気を表現します。
独自の世界観を作り込むことで、ユーザーは機能や価格の比較ではなく、「この雰囲気が好きだから」「ここにお願いしたいから」という理由で選んでくれるようになります。 これが「指名買い(ファン化)」です。
高くても選ばれるブランドを作りたいなら、ここへの投資は決して無駄にはなりません。monteの「プレミアムプラン」では、このブランディング領域まで踏み込んで制作を行います。
ホームページにおける「デザイン」の2つの役割を理解しよう!
本記事で解説した通り、「デザイン」と「SEO」は決して切り離せるものではありません。 SEO(検索順位)で勝つためにも、最低限の「デザイン品質」は必須条件だからです。
成功するホームページには、目的の異なる2種類のデザインが必要です。
- SEOのためのデザイン(守り): 「見やすさ・使いやすさ・表示速度」を整えて、ユーザーの離脱(Googleからの減点)を防ぐ役割。
- 成約のためのデザイン(攻め): 「美しさ・世界観・信頼感」を作り込み、ユーザーの感情を動かして「指名買い」を起こす役割。
「とにかく検索の土俵に立つ(SEO)」ことが最優先なのか、「競合と比較された時に選ばれるブランド力(CV)」が必要なフェーズなのか。
成果を出すホームページを作るためには、この「守り」と「攻め」のバランスを、自社の目的やフェーズに合わせて最適化することが成功の鍵となります。
成果を出すホームページ制作なら「monte」
monte(モンテ)は、愛知県名古屋市を拠点に活動するWeb制作事務所です。
私たちは「ただ綺麗なサイト」を作るのではなく、「事業の課題を解決するサイト」を作ることを大切にしています。 この記事で解説した「守り」と「攻め」、お客様のフェーズに合わせてどちらの戦略にも対応できるプランをご用意しています。
「今の自分にはどっちのバランスが必要?」「もっと反響を増やしたい」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。あなたに最適な「勝ちパターン」をご提案します。

