ホームページ維持費の適正相場は?「経費」を「成果」に変える戦略的投資術

お金と時間をかけて制作したホームページをインターネット上に公開し続けるためには、制作費とは別に、維持費、すなわちランニングコストが毎月または毎年発生します。ランニングコストは数年も経てばそれなりの金額となるでしょう。初めてホームページを作る人は、どのような費用がかかるか分からず、予算の見積もりが難しいと感じるかもしれません。

維持費を「極力抑えるべきコスト」と認識している場合、その考え方は少し危険かもしれません。ホームページは目的を達成するための手段であり、目的の達成を意識するのであれば、維持費は投資として捉えるべきです。適切な費用をかけることで、ホームページは「売上を伸ばすための資産」へと変わります。

この記事では、ホームページ維持費の具体的な内訳や相場を明確にしつつ、「経費を成果に変えるための戦略的投資術」をプロの視点からお伝えします。この記事を読めば、ホームページを「自社で運営する場合」と「外注する場合」それぞれの維持費がわかり、さらに集客売上につながる「投資」の優先順位が明確になるはずです。

目次

ホームページ維持費の3つのレベル分類

ホームページのランニングコストにはさまざまな費用があり、費用の目的や内容によって「維持費」「保守費」「運用費」の大きく3種類に分けられます。

費用レベル費用名目的/役割経営上の視点
レベル1維持費ホームページがインターネット上に公開されている状態を維持するための最低限必要な費用です。必須の基本コスト
レベル2保守費トラブルに備え、セキュリティ対策やメンテナンスを行い安全と品質を維持するための守りのコストです。安心への保険・守りのコスト
レベル3運用費集客、売上アップなど、ホームページを作った目的を達成し効果を出すための攻めの投資です。成果を出すための投資・攻めのコスト

ホームページに求める目的や役割によって、必要な維持のレベルは異なります。たとえば、「会社のことを知ってもらう」ための名刺のような役割のホームページであればレベル3(更新費)までが必要です。もし、ホームページに「集客」の役割を期待するのであれば、レベル4の「販促費」までのコストが必要になります。

monteのプロの視点 ランニングコストは成果を出すための投資と考え、ページやコンテンツの追加更新、SEO対策、サイト分析といった手間と時間とお金をかけていかなければなりません。ホームページを開設したあとも、目的の達成を意識し、適切な維持費を見極めることで、必要な維持費を把握できます。ランニングコストを適正に管理し、ホームページの維持費・管理費・運用費の見直しを進めるのが良いでしょう。

レベル1:サイト公開に必須な「最低限の維持費」の内訳と相場

ホームページをインターネット上に公開し続けるために最低限必要となる費用(維持費)は、ドメイン費用、サーバー費用、SSL費用の3つです。

レンタルサーバー費用(土地代)

サーバーはホームページのデータを保管しインターネット上に公開する「土地」の役割を果たします。ほとんどの中小企業はレンタルサーバーを利用します。サーバー費用は月額数百円から数千円、高いレンタルサーバーなら月額数万円から数十万円かかる場合もあります。

プロの視点 初めてホームページを作る場合、相場は月額1,000円〜3,000円程度で考えるのが適切です。この価格帯のレンタルサーバーは、低価格ながらビジネスに不可欠なセキュリティ対策機能やサポート対応が充実しています。安さだけを追求するのではなく、安全性やサポート体制を重視すべきです。

ドメイン費用(住所)

ドメインはインターネット上の「住所」にあたりURLの一部としてウェブサイトを特定するために使われます。ドメイン費用はURLの種類によって金額が変わってきますが、年間で数百円〜数千円が相場です。ビジネス目的であれば、自分で好きな文字列を指定する独自ドメインを取得するのがおすすめです。

プロの視点 レンタルサーバー会社によってはドメインを無料で提供する会社が多く、コストを抑えられます。また一つの会社でサーバーとドメインを取得すれば契約や請求などを一元管理でき、設定が楽になる点もメリットです。

SSL費用(セキュリティの基本)

SSL Secure Sockets Layer とはインターネット上で発生するデータの送受信を暗号化して保護する仕組みを指します。SSLに対応したホームページはhttps://から始まるURLになります。セキュリティ面の懸念があるため、すべてのページで適用が推奨されているため、SSLも最低限必要な費用と言えます。

SSL費用はレンタルサーバーによっては無料、オプションで用意されている場合は月額数千円のケースが多いです。費用は認証タイプや認証レベルによって異なり、無料のものから月額2万円程度までと幅があります。

プロの視点 創業期に名刺程度のホームページを作る場合は、通信の暗号化の質に問題がない無料のSSL(ドメイン認証)がおすすめです。ホームページの信頼度を上げる場合は、企業の実在性を証明してくれる有料の「企業認証(OV)」や「拡張認証(EV)」を検討しましょう。特に金融機関やECサイトなど高い信頼性をアピールしたい場合は、「拡張認証(EV)」を導入しましょう。

レベル2:信頼を保つ「保守」は削ってはいけない守りの投資

ホームページを維持費(サーバー・ドメイン)だけを支払って放置してしまうと、セキュリティ上のリスクが高まります。管理費とは、ホームページを安定して稼働させ、訪問者にとって快適な環境を維持するために必要な守りのコストです。

保守管理費の相場と重要性

保守管理費は制作会社などにホームページの管理を任せる場合に発生する費用です。主な内容としては、サーバーの監視やセキュリティ対策を行いウィルス感染やハッキングによるデータの漏洩を防いだりします。保守管理費の相場は、制作会社に委託した場合で月額1万円〜5万円が相場になります。

システム更新・メンテナンス費用(CMSアップデート)

WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を採用している場合、セキュリティリスクを減らすため、CMSやテーマ、プラグインは定期的にアップデートしなければいけません。アップデートを怠っていると、セキュリティが低くなりハッキングなどサイバー攻撃を受けやすくなります。

アップデート作業はCMSの管理画面から簡単にできますが、アップデートが原因でホームページの表示が崩れるといったトラブルが発生する恐れがあります。自社でトラブルに対応できない場合は、Web制作会社に依頼しましょう。アップデートの相場は1回あたり5,000円〜10,000円程度です。Web制作会社と保守契約を結べば、随時対応してくれるので安心できます。

放置が招くコスト増大リスク(monteのプロの視点)

ホームページはそのままにしていると古くなっていき、不具合が起きやすくなったり、信頼低下を招き評価が低くなってしまう可能性があります。公開している以上、最低限のメンテナンスは欠かせません。メンテナンスを怠ると、後で大規模な改修や復旧が必要になり、かえって長期的なコストが増大するリスクを負います。私たちは「管理なくして運用なし」を原則とし、セキュリティやシステムといった専門性が高い部分はプロに任せるべきだと考えます。

レベル3:成果を最大化する「運用費(集客投資)」の内訳と優先順位

運用費は、売上アップや集客といったウェブサイトを作った目的を達成するために行う、効果を出すための費用です。運用費こそが「集客」「売上アップ」に直結する攻めの投資です。

SEO対策/コンテンツ制作費

SEO対策とは自社のホームページを検索エンジンで検索結果の上位に表示させるために行う対策のことです。コンテンツ制作費は、最新の情報を提供し続けることで、サイトへのリピート訪問や検索エンジンでの上位表示を促すことにつながります。

費用は対策内容にもよりますが、最低でも月額で5千円〜1万円程度かかります。料金体系は成果報酬型、月額固定型、一括支払い型の3種類があり、月額固定型の場合は「月額10万円〜100万円程度」が相場となっています。

アクセス解析/改善提案費

アクセス解析は、ホームページ訪問者のアクセス情報を記録したログデータを分析し、目的達成のための課題を発見することです。専門会社へ依頼することで、分析結果の定期的レポートや、それに基づく改善提案などのサービスを受けることができます。「直感」ではなく「データ」に基づいた意思決定が、競争の激しいオンライン市場で成功を収める鍵となるでしょう。

広告宣伝費

リスティング広告やSNS広告などのネット広告を掲載してホームページへのアクセス数を増やすための費用です。ネット広告はSEO対策に比べて短期で結果が出て、効果検証が行いやすい手法です。運用を外部のWeb広告代理店に委託する場合、広告費用の20%程度が手数料として請求されるのが一般的です。

プロの視点:一歩先の運用戦略(MEO/LINEへの接続)

運用費は、集客や売上アップに直結する投資です。集客や売上向上を目指す企業は、運用まで外注することで成果を最大化できます。特に地域ビジネスの集客においては、MEO対策(Googleマップ対策)がホームページへの流入を促す重要な集客戦略です。また、制作後の顧客との接点維持やリピーター集客においては、LINE公式アカウントの活用が有効な運用戦略となります。これらの戦略的な運用への投資こそが、費用を成果に変える鍵となります。

目的別:ホームページ維持費の相場早見表と最適な投資額

ホームページの維持費は、規模や更新頻度、集客目標数などで価格にバラツキが発生します。自社のニーズに合った管理費を見極めることが大切です。

目的別・月額費用相場早見表

費用レベル月額費用相場(目安)含まれる主な内容
自社で管理月額5,000円程度以下サーバー、ドメイン、SSLの最低限の維持費です。
一般的維持費用月額5,000円〜2万円程度上記に加え、コンテンツ更新やサーバーメンテナンス費用が含まれる場合が多いです。
充実した保守サポート月額2万円〜5万円程度CMS更新・メンテナンス、ホームページデータの定期バックアップ、月次レポートの発行などサポートが手厚くなります。
集客に注力する場合月額5万円以上高度なSEO対策、コンサルティング、Web広告運用費用が含まれます。

最適な投資額を見極める重要性

費用は規模や目標、更新頻度によって大きく変動するため、自社のニーズに合ったプランを見極める重要性を強調します。ホームページの維持費は月額1万円〜3万円が相場です。

維持費を最適化するための3つの経営判断と注意点

ランニングコストを抑えるためには、自社でできることと外注が必要な部分を明確に分けることが重要です。

コツ1: サーバー/ドメインは自社契約で手数料カット

ホームページの維持に最低限必要なサーバーとドメインは、できる限り自身で取得・管理をしたほうがよいでしょう。制作会社に契約を依頼すると手数料や管理費用などが必要となるため、自分で費用支払いを行う方が維持費の節約対策となります。ただし、更新手続きを怠った場合は、契約期間終了後にサイトに表示されなくなるので注意が必要です。

コツ2: CMSを活用し内製化できる範囲を広げる

CMS Content Management System を導入すれば、HTMLなどの専門知識がなくてもホームページの作成・更新・運営ができます。お知らせや最新情報など、更新頻度が高いコンテンツの更新をCMSで行うことで、制作会社など外部に依頼する費用を抑えることが可能です。自社管理の範囲を広げることで、管理費を抑えられます。内製化を進める際は、事前に「どのコンテンツを自社で更新したいか」を制作会社に確認しておくことが重要です。

コツ3: 安さではなく「プロに任せるべき専門領域」を見極める

価格の安さだけを追求すると、セキュリティリスクや望んだ効果が十分に得られないリスクを負うこともあります。

自社で対応が難しい専門的な作業は、外注化することで効率的に進められます。例えば、サーバートラブルの対応や、SEOを意識したコンテンツの作成や最適化などです。自分たちで出来ないシステムの追加や障害の対応などは制作会社に任せることになります。プロの手に任せるべき部分はプロに依頼しましょう。単発の安さではなく、信頼できる長期的なパートナーを選ぶことが、結果的にコスト削減につながります。

ホームページの維持費を成果に繋げるために

ホームページの維持費は、単なる支出ではなく、事業の成果を維持し、さらに成長させるための重要な投資です。適切に管理されているホームページは、集患力や信頼性を高める重要な資産として機能します。

運用費用はサイトの目的や規模によって大きく異なりますが、制作会社によって出してくる見積もりはバラバラなので、費用が適正かどうか判断するのは難しいでしょう。

monteでは、現在あなたが支払っている維持費が適正であるか、またホームページを資産として機能させるために今後どのような集客投資(運用費)が必要かについて、プロの知見に基づいた無料診断サービスを提供しています。

「ホームページは作ったものの集客に繋がっていない」「現在の費用対効果に疑問がある」といったお悩みをお持ちであれば、ぜひ一度ご相談ください。貴社の事業成長を加速させるための戦略的な運用計画を共にご検討させていただきます。

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